2014.9.30-10.5
SENDAI PHOTOGRAPHY MONTH 2014
展示紹介 / Exhibition Introduction
部屋は黒い蝶のようだった。影が重さを増しながら漂っている。外は小雨が降り続く。 ドリルの刃は、石膏ボードの壁を貫通して外側のコンクリートを叩く。振動は上腕を通じて肩、内蔵、体液、そして時間のすべてを鈍く揺さぶる。足元の床は粉塵が厚く積もり、フローリングの溝を埋めている。私の膝も白い粉まみれになる。目一杯の力を刃先に押し付けても、穴が開く感触が伝わってこない。壁が硬い。汗が止まらない。いつのまにか私は、ドリルの刃と一体となっていた。何ヶ所か開けた穴に、コンクリートビスを打ち込んでいく。その際のインパクトドライバーは、心地いい音を響かせる。ふと天井を見上げると、小さな蜘蛛が梁の隅へと動いている。その足取りは、暗がりをもとめるかのようで、ひどく慎重に見えた。
概要 / Summary
- タイトル
- 伊東卓 漂う昼 ROOMS IV
- 日時
- 展覧会 2014年9月30日(火)- 10月5日(日) 11:30-17:30 月曜定休
作家在廊日 9/30(火)10/2(木)10/4(土)10/5(日)
入場無料
- 場所
- ビルドスペース 塩竈市港町2-3-11
- 日時
- トークイベント
伊東卓 x 渡辺誠一郎「写真と俳句」
2014年10月4日(土)16:00-17:30
入場無料
ゲスト:渡辺誠一郎
- 場所
- ビルドスペース
- プローフィル
- 伊東 卓
1971年仙台市生まれ
個展・グループ展
1998年個展「日没の温度計」 エル・パーク仙台展示ギャラリー
2001年個展「あたたかい岸」 art space宙
2002年個展「town」 art space宙
2003年個展「新town」 re:bridge edit
2006年個展「遠い一群」 art space宙
2009年個展「たいら」 ギャラリー青城
2011年二人展「311以降」 gallery COEXIST
個展「ROOMS」SARP
2012年企画展「東北より」ニコンサロンbis大阪
個展「ROOMS Ⅱ」SARP
2013年個展「ROMSⅢ」 SARP
渡辺誠一郎
1950年塩竈市生まれ。俳人。
1989年佐藤鬼房に師事。1990年小熊座同人。1992年第17回宮城県俳句会準賞受賞、1996年第一回小熊座賞受賞、1998年 平成9年度宮城県芸術選奨新人賞受賞、1998年 第3回中新田俳句大賞スウェーデン賞受賞
句集『渡辺誠一郎句集』、『潜水艦』(私家版)『余白の轍』、『数えてむらさきに』(銀蛾舎)共著『現代俳句100人20句』他
現在「小熊座」編集長、「火星の庭俳句会」主宰。近年は、松尾芭蕉、正岡子規などの著作、研究所を丹念に読み込み、その講演会での軽妙な語り口には定評がある。また、塩釜フォトフェスティバルの立ち上げに尽力し、写真の造詣も深い。
- 主催
- 仙台写真月間2014事務局
- お問い合わせ
- photo@bookshelf.cc