2012.9.29〜10.8

フォルチュネ島

フォルチュネ島

展示紹介 / Exhibition Introduction

「本展のタイトル、フォルチュネ島は日本語にすると「福島」という意味になります。 展覧会のタイトル選びに頭を悩ましていた今春、パリ時代からの友人である小山田聖子さんとご主人で京都大学文学部准教授のエリック・アヴォカさんに相談したところ「フォルチュネ島」という詩の存在を教えてくれました。作者は16世紀、フランスの詩人、ピエール・ドゥ・ロンサール。この詩でロンサールが描いたのは利己的な文明や戦争のない、雄大な自然が広がる神々しい島。古いフランス語で書かれた詩を読んで思わずハッとしました。なぜなら詩に綴られた神々しい風土は夫とともに見つめつづけた福島の風景に酷似していたからです。まるでロンサールが約450年も前に福島を訪れていたかのよう。 ロンサールのこの詩に着想を得て、作品の選出と構成に着手しました。 私はパリ、夫はロンドンで、それぞれの欧州生活を終え、2010年のはじめに入籍。夫が拠点であった福島で新婚生活をスタート。休日には福島全土を車で縦横無尽に駆け巡り、農婦たちと会話を楽しんだり、彼らの美しい風土を写真に収めました。東日本大震災で自宅が全壊、それを機に宮城県に引っ越したものの、震災後も度々福島を訪れては、美しい風景を写真に収め続けました。震災後も福島で出会った人々は笑顔を浮かべ、彼らの風土は以前にも増して美しい。けれど、私たちを脅かす放射能、また逆に私たちを支えている人と人の繋がりも目では確認できません。私は「大切なことほど目では見ることができない」という事実を視覚メディアである写真を用いることによって逆説的に表現しました。 本展開催にあたって素敵な詩をご紹介して下さったエリック・アヴォカさん、多忙を極めるなか和訳に尽力して下さった小山田聖子さんご夫妻、写真全般の疑問難問に応えご尽力してくださった尚光堂の嶺岸さん、それから最愛の夫に深い敬意と感謝の誠を捧げます。」

概要 / Summary

タイトル
山田タカスケ + なつみ イラストと写真の展覧会「フォルチュネ島」
日時
9月29日(土)~10月8日(祝月)11:00-17:00 ※月曜定休 ※作家在廊日 9/29-9/30、10/7-8
オープニングレセプション 9月29日(土)19:00〜 参加無料
場所
ビルドスペース 塩竈市港町2-3-11
入場料
無料
出展作家
イラスト 山田タカスケ 写真 山田なつみ

山田タカスケ
1980年生まれ。ʼ04年に個展「NEW HAZE」「BACKGROUND」を春、冬続けて開催。ʼ06年秋、個展「SUPER NON ACTION STYLE」をロンドン市内で開催。ʼ08年ロンドン芸術大学の1校である、セントラル・セントマーチンズ、グラフィック学科卒業。

山田なつみ
1980年生まれ。大学在学中から雑誌編集にかかわり、ʼ03年、渡仏。パリ大学で視覚芸術を専攻する傍ら、芸術家との親交が深まり独学で写真術を修学。「大切なことは目には見えない」を活動理念とし、ルポルタージュを中心に写真と文章の両方を手掛ける。 裏パリ