2012.9.4〜9.7

FIELD TRIP PROJECT

FIELD TRIP PROJECT

展示紹介 / Exhibition Introduction

東日本大震災から18ヶ月。被災地の諸処の問題は複雑化し、非被災地では震災への関心は風化しつつあります。カナダからではなかなか支援も難しい。長期的支援を継続していくにはどうしたらいいのでしょうか。 2012年3月、ある被災地の体育館は、需要に見合わなかった大量の行き場を無くした支援物資で埋め尽くされていました。中古の衣類等は発展途上国へと送られ、それ以外の物は廃棄処分しなければならない状況に困っていたようです。中古のランドセルも被災地の児童に新品が支給されたので行き場がなかったので、僕たち(=僕+被災地の人たち)に委ねていただきました。『遠足プロジェクト/FIELD TRIP Project』はそこから始まったのです。 「従来、鑑賞者として受け身の存在であった参加者が、カナダからのアート作品を背負って各開催地を散策しながら展覧会=作品の一部となり、街と人とをコミュニケーションを通じて結んで行くというイニシアティブを取る。今までに被災地では数多くのアートプロジェクトが開催されて来たが、年配者や仮設住宅で引きこもりがちな方々や学校や施設へも「訪問芸術」する事で、新たな出会いやアートテラピー的な動きを活性化する事を目的とする。現地で何が求められているかを学ぶ「課外授業/社会見学/遠足」は、被災地の復興の様子を見て回り地元の人たちとの交流や観光する事で、今後起こりうる諸処の問題を表面化するであろう。震災以前より元々あった街の過疎化とショッピングモールへの一極集中化の問題にも関わりながら、国内だけに留まらない震災への支援とアートを通じた交流を通じて、何らかの解決への糸口を模索していく。」 というコンセプトです。カナダのアーティスト参加希望者が急増してランドセルが足りなくなる中、参加してくれたアーティストは、アレックス・マクロードやジョン・ササキのようなカナダの新鋭アートスターから、AGOで個展開催中のケイティー・リーマンやトロント大学内のJMBギャラリーで同じく個展中で話題のダグ・ウォーカー、優れたキュレーターでもあるカミーラ・シングやエメリー・チャンガー、ウォータールー大学建築学部や女子4人組のXXXXコレクティブなどの学生も含めた約35組。ランドセルを屋内外を問わずに展示する仕組みは、2008年のベネチア建築ビエンナーレのカナダ館キュレーターのジョンマクミン准教授によるものです。

概要 / Summary

タイトル
遠足プロジェクト/FIELD TRIP Project
日時
9月4日(火)~7日(金)11:30-17:30 ※最終日のみ15:30まで
9月4日(火)16:00-17:00 アーティストトークUst配信 出演:武田大介、秋元しのぶ
場所
ビルドスペース 塩竈市港町2-3-11
入場料
無料
出展作家(順不同)
Aleksandra Rdest, Alex McLeod + Krystle Tabujara, Annie Onyi Cheung, Atanas Bozdarov, Brett Despotovich, Camilla Singh,David Trautrimas, Dean Baldwin, Derek Liddington, Diane Borsato, Douglas Walker,Dyan Marie, Emelie Chhangur, Fiona Smyth, Geoffrey Pugen, Hanna Hur, Jenn E Norton, Jérôme Havre, John McMinn + Melana Janzen, Jon Sasaki, Josh Thorpe, Juliana Pivato, Katie Bethune-Leamen, Marc Ngui + Magda Wojtyra (aka Happy Sleepy), Michael Toke, Miles Collyer, Scott Rogers, Selena Lee, Shannon Cochrane, smfoundtaion (Shinobu Akimoto & Matt Evans), Tanya Read, Tibi Tibi Neuspiel, Tom Ngo, The Doodlers(University of Waterloo School of Architecture), XXXX Collective

遠足プロジェクト実行委員会
被災地と非被災地に本部を持つ2団体、高校生カフェ(代表:梶原千恵)と大地プロジェクト(共同代表:武谷大介)による共同プロジェクト。本プロジェクトは、被災地での様々な現状への対処の仕方や、震災の風化の防止や、継続的な支援、さらには 国際交流といった課題に何らかの新しい指針を与えてくれる事と信じる。

問合せ
遠足プロジェクトキュレーター 武谷大介